昨年からコンピュータ囲碁の状況が一変しています。
Google の開発した AlphaGo が 2015/10/5~9 に行われたヨーロッパチャンピオン樊麾(Fan Hui)二段との対戦で 5 戦 5 勝したためです。コンピュータ囲碁がプロ棋士に勝利したのはこれが最初です。
この試合の前までは、コンピュータ囲碁の強さはアマチュアのトップレベルと言われていましたが、Google AlphaGo は今月の9~15 にプロのトップ、イ・セドル九段に挑戦するとのこと。はたしてどうなるか目が離せません。
ただ今の状況ではイ・セドル九段のほうが強いように思います。AlphaGo はディープラーニングと呼ばれる機械学習で碁を学んでいますが、強い碁敵との経験が少ないように思えるからです。自身との対戦もしているそうですが、それでは強くならないのではないでしょうか。
ともあれ、AlphaGo の出現により日本でも「DEEP ZEN GOプロジェクト」チームを発足し、AlphaGo に対抗することとなりました。
個人で強い囲碁プログラムを作ることが難しくなってきたと言えるでしょう。
私の囲碁プログラム開発も(一向に進んではいないものの)モチベーションをどう維持するのか、考え直す時期になりました。今漠然と浮かぶのは、単に強さを求めるという方向ではなく、囲碁の本質に迫っていくような方向を目指したほうが世の中に貢献できるのではないか、というくらいでしょうか。
※下記はAlphaGo(白)対 Fan Hui(黒) 第5戦の終局図(白中押し勝ち)。棋譜は AlphaGo のサイトからダウンロードできます。

