区間を大幅に統合して、勝敗に注目してχ2検定をやり直してみました。
一つ目はコミなしのまま区間を黒の勝ち、持碁、負けに分けました。有意水準(危険率)は 5% 、自由度2のχ2と比較すると、初手天元並びに打った対局のばらつきχ2は有意に大きな値であり、統計的に初手天元並びに打つと勝率が高いと言えます。
二つ目はコミ1目半で区間を黒の勝ち、負けに分けました。有意水準は 5% 、自由度1のχ2と比較すると、こちらも初手天元並びに打つと勝率が高いと言えました。
同じデータでありながら、区間の設定によって検定結果が変わるというのは、ちょっと釈然としないところもありますが、感覚としては例えば二つ目のケースの場合、全局では黒の勝率が 4108/8175 = 0.503、初手天元並びの対局では黒の勝率が 233/401 = 0.581 なので、かなり初手を天元の並びに打ったほうが強そうであり、それと一致することができました。このケースでコミ1目半としたのは全局での勝率を 0.5 に最も近づけたかったからです。実戦で行われるようなコミ5目半などにすると、囲碁シミュレーション対局での黒の勝率は 0.440 ほどに下がってしまいます。
モンテカルロ囲碁ではシミュレーションで勝率の高い手を選んでいますが、単純に勝率を比較するだけでなく、統計的な検証を入れたほうが、より正着に近づけると思います。実際のモンテカルロ囲碁プログラムでは単に勝率が高くてもシミュレーションの回数が少ない場合はあまり信用しない、といったアルゴリズムが使われています。

