微分と積分

先日、ヨビノリたくみさんの YouTubeビデオ「中学数学からはじめる微分積分」を見ながら、たくみさんの「世界は微分で記述され、積分で読み解く」というのは、ああそうだなと思いました。

以下のビデオは Small Basic のブログ向けに作ったものですが、カメが左から右へ移動していて、グラフには縦軸にカメの速度、横軸に時間をとってカメの動きと同時にグラフを描いています。このグラフのある時点での傾きがこの運動の微分になります。この場合、微分の単位は速度÷時間なので加速度の単位 [m/s2] になります。0~2秒は加速度 3÷2=1.5 [m/s2] で加速し、2~3秒は等速 3 [m/s](加速度は 0 [m/s2])で移動し、3~5秒は加速度 -3÷2=-1.5 [m/s2] で減速しています。またグラフで濃く塗りつぶした部分が距離を表していて、最終的に 9m 進みます。この運動の積分は、面積である距離になります。

という説明が微積ではよく行われると思います。カメの速度を自分でコントロールしていないので、実感が湧かないかもしれません。

昨年から私たちは日々の新型コロナ感染者数のグラフを見ています。縦軸がその日の新規感染者数、横軸が日付です。厳密にはこのグラフは人数を扱っているため、整数のグラフになります。先ほどの速度のように小数点の値は取りません。それでもグラフが増加傾向か減少傾向かはグラフの傾き(微分)で分かります。延べの感染者数が体積(積分)です。私たちはこのグラフをコントロールするために日々苦戦してきました。効果が表れるのが2週間後なので、かなり厄介です。カメの代わりに自動車を想像してみてください。アクセルを踏んでから2週間後に加速する車だとしたら、運転は非常に困難な事が分かるでしょう。

一方、さらに厳密ではなくなるのですが、私は仕事場の片づけ中であるものの残念ながら資料が多すぎて片づいていません。片づけのグラフをどう描くか難しいところですが、感覚としては現在の散らかり具合が面積(積分)で日々散らかしているか片づけているかが傾き(微分)になるのでしょう。つまり一般的に、今現在どちらの方向に向いているのかが傾き(微分)で、結果が面積(積分)として現れることになります。

数値化してグラフ化すると傾きが急なのか緩やかなのか上向きなのか下向きなのか、結果がどうなっているのかが分かりやすいですが、そうしなくても、日々の積み重ねが現在の結果に反映されていることが実感できるのではないでしょうか。

私たちがコントロールできるのは今の行動のみです。これは傾き(微分)を選択する行動です。その積み重ねが面積(積分)という結果として現れるという訳です。

カメや車の運転、新型コロナの感染者数、仕事場の散らかり具合について書いてきましたが、学習、人格の形成やSDGsなどの社会問題への取り組みなども結局のところ今どう行動するかを変えるしかない。というのが微分と積分の物語なのだなぁと思います。

追加リソース

 

 

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