前回紹介した鮮やかさと明るさをまとめて「トーン」と呼ぶことがあります。これは日本色研配色体系(以下PCCS)で定義されています。色合いを例えば赤(Hue=0)に固定し、明るさ(Lightness)と鮮やかさ(Saturation)を0から255まで変化させると、図52のようになります。
【図52 横軸に鮮やかさ、縦軸に明るさをとった図】
トーンとは同じ色合いの中の明るさと鮮やかさによって区別できる色の調子のことを言い、例えば「明るい」とか「つよい」とか「うすい」とか「こい」といった表現によって表されます。
PCCSのトーンとRGBの関係はPCCSを考案した日本色彩研究所の『デジタル色彩マニュアル』にカラーチャートとして掲載されていますが、関係式がよくわかりません。そこで今回はトーンの考え方のみ拝借し、RGBとの関係は、新たにロジックを考えました。
まず、トーンを表す言葉はPCCSではなく、JISの「有彩色の明度及び彩度に関する修飾語」を使いました。図52だと境目がはっきりしないので、RGBの色を0~255の256段階ではなく、0, 51, 102, 153, 204, 255の6段階で表すウェブセーフカラーに変換して、図53のように配置しました。
【図53 同様に色を6段階にし、トーンを表す言葉を配置】
上記の図の関係を全ての色合いについても取り入れたのが今回作ったプログラムです。JKQ371 として「発行」しました。プログラムでは図52および図53に相当する図を表示するロジックがありますが、表示に時間がかかるので、代わりに結果をビットマップで表示するようにしてあります。
【図54 プログラムの実行結果 (Hue=210°の場合)】
今回作ったプログラムでトーンを表す言葉を一応表示できるようにしましたが、色の境界については独自の(ウェブセーフカラーの境界を使う)考え方に基づいていることを改めてお断りしておきます。JISの系統色名には「赤みを帯びた黄みの白」などという表現もありますが、今回のプログラムではそのような表現はできません。
次回は混色について学びます。
(つづく)